新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

まだまだだね

11月26日号のFinance and economicsには、先ごろ経営統合を発表した東証・大証の置かれた立場について、さらりと厳しい話が出ています。曰く、規模で世界三位になると言っても、東証は地盤沈下が続いており、基礎的要件に何か変化があったわけではない、というお見立てです。

その中身はと問えば、他の取引所なら投資家への開示ですむ要件でも、日本の場合は上場拒否につながる審査の厳しさに加え、実効税率40%と他国に比べて高い法人税が資本コストを高くしており、どうしても日本で上場したい、と言う人でもなければあまり魅力的ではないということ。加えて、日本では「1円以下の端数決済ができない」ため、たとえば一株100円の株を売買する手数料が1円にもなってしまい、100億円の取引に1億円もの手数料が取られることなど、どうみてもユーザーフレンドリーとは言えない状況になっているから、というのですが。

もしかしたら事実は多少異なるのかもしれませんが、そうだとしてもシステムや資本コスト、さらには柔軟な決済方法などの面でクリエイティブに他者をリードする、というようなレベルには全く達していないことは明らかと思います。

以前、テニスを題材にしたマンガの主人公が、天狗の鼻をへし折られた登場人物に対して「まだまだだね。」とクールに言い放っていたのを思い出させる話です。統合?第三位?話の次元がちがいすぎやしませんか、って。