新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アフガニスタンの今

12月3日号、前半のBriefingは、最近のアフガニスタンについて、そしてアメリカとパキスタンの関係について詳報しています。

特にアフガニスタンについて言えば、止まないテロによる一般人の犠牲者が続いたことで、民心がタリバンから離れつつあること、元タリバンの若者も、思想的に洗脳されていると言うわけではないため更生が比較的進めやすいこと、新しい教育が施されて若者の問題意識が高まったことなどで、もう少しサポートしてやれば国として独り立ちできる可能性が見えてきている、のだそうです。

無論、ケシの花栽培を進めようとする麻薬ネットワークや政治的腐敗が根絶されたわけではありませんし、タリバンもまだまだ息絶えたと言える状態ではありません。

イギリスの、しかも保守派のジャーナリズムとは言え、The Economistはこういう記事について恣意的な書き方をしない本なので、分析内容はある程度信頼して良いと思います。

折悪しく、ヨーロッパが自らを巡る金融危機で手いっぱいなことから、果たしてアフガニスタンへの支援がこれまで通り続けられるのか、といえば非常に予断を許さないところはあるわけですが、アルカイダタリバンの連携は、いわば狂気と無知の結婚という、人類の進化史において看過せざるべき不幸な出来事だったと思うので、何とかアフガンが独り立ちできるところまでサポートを続けてあげたいと思うのですが。