新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

軍隊とビジネス

12月3日号のSchumpeterは、時折海外で耳にしていた「軍隊のビジネス」について興味深い分析を乗せています。

タイ、あるいはインドでも、ホテルや観光施設などを「軍が持っている」と説明されることがあって、外観から見るとどう見ても一般向けの施設なのですが、なるほどこの国では軍隊もビジネスをしてるんだ、と思っていました。

極端だったのはキューバで、軍人さんがホテル経営やパーティ会場の設計・建設を本業としている例など、一体私はどこの誰に話をしているのかわからなくなるような場面にも遭遇しました。餅は餅屋で、その道のプロに委託するというならわからなくもない話ではありますが。

The Economistに言わせると、民間に比べて圧倒的に有利な条件(土地はタダ、労働力は潤沢、そして何より武器を持っている)で競争すると言うのはいかがなものか、という指摘はその通りと思います。反面、アメリカのトップ500社についていえば、その10%は経営者が軍隊経験を持っているのだそうで。リーダー養成という側面からみれば、確かに軍隊はそれなりの教育機関ではありえるかもしれませんね。

日本の場合、自衛隊に当てはまる要素は決して多くないと思うのですが、逆にリーダー養成の場を失っているとしたら、程度のほどは良く知りませんが、意外な機会損失になっている可能性もあるかもしれないなと思いました。