新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

オバマ大統領の2012年一般教書演説

1月28日号のLexingtonは、先ごろ(1月24日)アメリカ議会で行われたオバマ大統領の一般教書演説について、辛口の論評をしています。
GMの立て直しや株価の維持向上、金融機関の経営基盤テコ入れの成功など、これまでの実績を誇り、対テロ戦争オサマ・ビン・ラディンを殺害するまで戦い抜いたアメリカの団結力を経済問題にも振り向ければ必ず危機は乗り越えられる、と鼓舞するものだったのですが、大半のアメリカ人は経済が好転しているとは信じていないことが最大の問題である、と看破しています。

かつてそれが示唆的で、ビジョンを描き、変革を形作るとまで言われたオバマ氏の演説とは程遠いものであった、としていますが、経済問題についてそうである以上に政治について「団結」は程遠い理想であるように見えます。問題が一つか、せめて二つくらいの明快な対立軸に収斂すれば、論争の中でおのずと団結も見えてくるのだろうと思いますが、アメリカは(日本や欧州など他の先進国も)あまりに多くの問題を抱えすぎていて、それを明快に整理しきれないところに悲劇の発端があるような気がしています。