新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

あいかわらず混戦

2月25日号のLexingtonは、混戦が続く米共和党の大統領候補選について、意外にも伸びているサントラム氏に焦点を当てながら論評しています。

2月初旬の三連戦(コロラド、ミネソタミズーリ)を取ったのが大きかったこと、対抗馬のロムニー氏にとっては父親の地元であり出身地のミシガンで予定されている党員集会で、今のところサントラム氏への支持が優勢であることなど、「意外とやるじゃん」という感じなのだろうと思います。これまであまたの保守派政治家が大統領選候補に擬されてきた中で、その多くが欠点を突かれて消えていったわけですが、サントラム氏はロムニー氏に対抗できる最後の切り札として、今のところ長所にばかり光があたっている、というのがThe Economistの分析です。ただ、あまりにもキリスト教寄りの発言の数々や(映像として出回っているようですが)、いまやアメリカ人が必ずしも高い関心を寄せなくなった同性婚・妊娠中絶問題で極端に保守的なスタンスを取る(避妊すら反対)など、今後ブレーキとなる要素は十分、ということのようで。

それでもサントラム氏は「とにかくロムニー氏ではない」ことによってある程度の支持は集められそうですし、ギングリッチ氏にしてもポール氏にしても、撤退はおよそ視野に入っていない模様で、終盤まで混戦が続くことが予想されるという状況のようです。

最後の切り札がこんな具合ですから、本選を戦う現職は、共和党がもめればもめるほど、自らの安定性・着実性をアピールしやすくなるでしょうね。The Economistも書いているように、敵失で再選への道が開けそうなオバマ大統領は「ラッキーな男」ということなのでしょう。