新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

為替と経常収支

4月21日号のFinance and economicsには、数年前まで何かと言うとやり玉に挙げられていた人民元の為替レートについて、技術的に妥当と言える水準に近づいてきたという論評が載っています。完全な変動相場を取っているわけでもないのになぜ?と思って記事を読むと、2005年にはGDPの10%を超えていた経常黒字が2012年見通しでは3〜4%程度まで下がってきている(但し年率8%以上で成長しているので、経済規模は格段に大きくなっている)という変化がその背景にあるようです。

それを日本に当てはめて考えると、震災をきっかけとして経常収支は赤字傾向になり、将来的にも人口減や輸出産業の不振により、かつての強固な黒字体質から赤字を懸念される水準へ落ち込むことが予想されているのに、依然としてドルは80円台前半にあり、ユーロも107円位を行き来しています。この差は何?と思わされる状態ではありますが、マクロ的に言えばエネルギーや資源の価格が高止まりしている状況にあるので、ある程度為替が強いほうが経済全体で見た場合プラス要因が大きいのかな、と言う印象は否めません。

中長期では円安も、との予測を否定できない環境だと思うのですが、どなたか詳しい人にこの辺りを聞いてみたい気がしています。