新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

欧州発、世界経済減速へ

ネットでは6月9日号が流れています。

Leadersのトップは、懸念される欧州発世界不況の現実味が増してきたこと、そして欧州がどう対応するのか、その帰趨は一にかかってドイツのメルケル首相が緊縮策一辺倒の政策を転換するかどうかにある、という解説記事でした。

ま、確かにBRICSの経済が減速傾向にあり(米欧がモノを買わない以上、ある意味で早晩そうなるはずだった減速)、ギリシャに次いで今またスペインそしてイタリアの財政状況悪化が懸念される状況が深刻化する中で、フランスが経済成長志向へと舵を切ったことの延長線にあるお話なのではないかと見ています(違ってたら教えてください)。

さてここで。
欧州中央銀行そしてIMFセーフティネットの拡充を議論する中で、アメリカは追加出資を見送ったのに、日本が率先して大きな金額をコミットしたことで危機の深刻化が当面避けられた、というのが確か今年の春だったと思うのですが。記事が伝える範囲では、日本が欧州に何をどのように期待するか、というような意見めいた発信は全く何も見えませんで。

おりしもブラジルではリオ+20ということで、国連環境サミットの準備が急ピッチで進められているとの話も聞きます。持続可能な発展と成長のために、国際社会ができることは何なのか。劣化したヨーロッパとアメリカのバランスシートを小さくして、そこから描ける新しい成長の絵姿にBRICSのキャッシュを預ける、というような大枠だろうと思うのですが、其々に伴う痛みとそしてリスクについて、単に環境問題だけでない視点で議論する機会になってくれないかなと思っているのは私だけでしょうかね。