新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

靴を隔てて

6月16日号のLeadersそしてEuropeには、スペインにも飛び火したヨーロッパ財政危機問題と、それに対応するユーロ圏の現状を伝える興味深い記事が出ています。長い記事を圧縮するとその大筋は、ギリシャやアイルランド、ポルトガルに比べればまだスペインにはゆとり(?)がある、それなのに失業率を含む経済指標はアフリカの国より悪い、そこで必要とされた救済規模は必ずしも十二分な規模というわけではなく、ひょっとすると金融機関が延命するためだけに使われてしまいかねない、というようなものでした。

日本がバブル崩壊後に繰り返した、小出しの対応措置による金融機関の延命とそれによる抜本的対策の遅れの話を思い出させる内容です。せっかくの救済措置も、経済活性化に使われる前に、金融機関に届いた段階でどこか他へ消えてしまうのだとすると、『真水』を届けることがいかにむつかしいかということになりますね。靴を隔てて痒いところを掻くと言いますが、そんな思いが伝わってきそうです。