新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

オリンピックは何のために

7月28日号のBritainでは、ロンドンオリンピックを巡る裏話や招致の背景などについて、興味深いお話が紹介されています。
まずは、大会前の警備で日本でも報道されたミサイルの設置について。開会式の花火の熱がミサイルを発射させかねないとのリスクが直前になって判り、急きょ映像によるCG花火が使われたとのこと(映像を見る限り、全部ではないのかもしれません)。その他、良かったこととして交通や流通のインフラが改善されたこと、課題としてそれら投資のため一層財政が厳しくなったことなどが挙げられています。競技が終わるとそのまま使われずに残る巨大な施設等の今後についても懸念は不可避と言う部分があるようにも思われます。

もう一つ興味深かったのは「オリンピックは何のために実施するか?」という考え方のお話で、バルセロナや北京など、世界に向けて存在をアピールする大会とは違い、欧州で最も訪問者の多いロンドンにとって、外へのアピールというのはさほど意味を持たないのだそうで、基本となる考え方は「若い人へ精神的に遺せるものを提供すること」だということです。この考え方は、仮に日本が大きなスポーツイベントを主催する場合にも当てはまるところがあるのではないかと思います。参加すること、世代を考えることなどを通じて将来のあり方を考え直す機会とする。各方面で国際化が求められる昨今、まさに日本が必要としている機会なのではないかと思うのですが。