新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

助けるべきか、助けざるべきか

9月1日号のFree Exchangeは、世界の貧困層がどのような国に分布しているかと言う分析に基づく国際支援の役割について、興味深い報告を載せています。曰く、貧困層は最貧国に多いかと言うと実はそうではなく、中国やインドもそうですが、中間所得国にこそ多く存在すると言う話です。ではこれらの国の自助努力に任せて援助を減らしても良いのかと言う疑問についてですが、実は今ひとつの見方があり、政治的に安定している国とそうでない国に分けると、たとえ最貧国でなくても安定していない国に多くの貧困層が存在しているという話がありまして、たとえばパキスタン、ナイジェリア、イエメンなどですが、これらの貧困層は国の不安定さにより影響を受けるので、やはり国際支援が必要ではないか、という議論です。

それでは今後の見通しはと言うと、学者の中でも意見が分かれているようで、将来的には中所得国の貧困層が貧困脱出の機会に恵まれたり、最貧国が中所得国に移行したりすることから、貧困層の絶対数は減るとの観測がある一方で、不安定な国の貧困層は依然として貧困のまま推移し、将来的にもさほど減らないのではないかとの観測もあるようです。

経済面だけから言えば、政治的に安定すれば確実に貧困は減少することを、現代史は実例を以て示してくれていると思うのですが、宗教や領土、水問題に歴史など、さまざまな要因が絡まり合って政治的安定が望み薄な地域は広く存在しています。

割と根本的な疑問なのですが、ではこれらの地域に最も必要とされる関与は「援助」なのでしょうか?それとも、何かもっと政治的な、不安定要因の克服に直結するような関与なのでしょうか?

最後はやたらと難しい疑問にたどり着いてしまいました。うーん。