新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

経営者の対価

9月8日号のSchumpeterは、最近下がったとも言われるアメリカのCEOたちがもらっている年俸のお話です。
確かに上がってはいないようですが、大企業だと平均して8.5百万ドルほどの数字になるそうで、雇用が振るわないアメリカにあって、これは如何なものかと思わず考えてしまうレベルです。

文章を読んでいて思うのですが、まず対象とされているCEOとは、一般的に外部人材であり、取締役会がどこか他所から連れてくるもの、と言うイメージです。つぎにその人材が優秀かどうかに企業の浮沈がかかっているということ(これは多くの例でその通りだとは思いますが)。だとすると、高いおカネを払っても、という話になるのでしょう。いずれも「資本の論理」が徹底した大企業向きの論理であるように見えます。

他方、最近日本でよく言われる家族経営や従業員第一主義と言ったイメージの哲学はみじんも伺えません。労務費は切り詰めて当たり前、利益は出して当たり前という世界です。果たしてこれでアメリカは幸せな社会なのだろうか?と、これまで何度も考えてきたのに、また改めてこの問い掛けを考えさせられるような気がします。

社会構造の差、あるいは文化の差と言ってしまえばそれまでなのですが、たとえばCEOの成績に「従業員満足の実現」はどの程度の重みが付けられているのか?大変興味のあるところですね。