新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

引き分けでしたっけ?

10月20日号United Statesのトップ記事は、先日行われたアメリカ大統領選挙の第二回テレビ討論会の結果についての論評が出ています。既に日本国内でも、世論調査の結果などでオバマ大統領が勝ったと判定する人が多数であったという結果が報じられており、これに基づいてこれまでの討論会は一勝一敗だった、というような報道がなされているかと思います。ところが、The Economistの判定は「オバマは前回より出来が良かったが、ロムニーも悪くなかった」ということで、オバマ大統領が勝ったとしても僅差、どちらかというと引き分けだったすら言えるのではないかという論調になっています。

確かに、一回目の討論会でロムニー候補が明確な差をつけて勝ったと評されたほど二回目のオバマ大統領の「勝ち」は明白ではなかったようですが、大きな「流れ」から言えば選挙人獲得競争ではオバマ大統領に一日の長があるとの報道が多い中、ロムニー候補逆転の「流れ」を作り出すほどの結果にはなっていなかったと解釈するのが妥当ではないかと思うのです。

読者コメントをざっと眺めてみると、比較的支持が多いのは?オバマ大統領がいずれの質問に対する答えでも勝っていた、?ロムニー候補の経済政策は必ずしも妥当性を持たない、というような意見のようです。前者はいわゆるディベート採点の方法に関する意見で、後者は本質的な主張に対する判断と言うふうに読めますが、だとするとThe Economistの判定はややロムニー寄りと見られても仕方ないのかもしれません。

ここで、日本のメディア(テレビでも、動画配信サイトでも良いのですが)に提案です。同時通訳付きでテレビ討論会の中継をされては如何でしょうか?結構視聴率が取れるのではないかと思いますよ。あるいはもうどこかのサイトがやっているのかもしれませんけど。