新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

習近平は共産主義から脱却できるのか

ネットでは10月29日号が流れています。

Leadersのトップ記事は、11月に中国のトップに着く習近平氏が直面するであろう現状について、様々な制度疲労が積み重なっていることを指摘したうえで、敢えて習氏に対して共産主義からの決別とも言うべきいくつかの改革をよびかけています。たとえば政治犯の釈放、さまざまな地位に着くための党員資格要求の廃止、政治的な宣伝を行う部局と、人民解放軍を国ではなく党を守る軍隊と定めている軍事委員会の廃止など。

傍から見ていても、自らの正当性を保つために共産主義を捨てられない中国政府は、そのあり方や国際社会との付き合い方に、良く言えば独特な、悪く言えばおかしなことが多すぎると感じます。政治的係争に引きずられて、民間企業の利益を平気でないがしろにするような国は、中国といくつかの中南米の国々を除けば世界にはもうほとんど見当たらないでしょう。

The Economistの呼びかけがどの程度彼らの耳に届くのか分かりませんが、読者書き込みはすでに150件を突破しており(それこそ政治的宣伝を生業とするらしきプロ中国の書き込み屋も若干のコメントを出しておりますが、変革を求める声が多数)、今週号のLeadersでは断トツです。おそらくは、これらの課題を誰よりも認識しているのは習氏本人ではないかと思うのですが、だからと言っておいそれと、という問題の根深さとの対比は一朝一夕では埋めがたいわけで。

個人的には中国が共産主義の頸木から脱却する方向に動いてくれることを祈りつつ、では誰に何が出来うるのかについて、じっくりと眺めてみたいと思います。