新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

どうしたもんだか

2月9日号のAsiaには、尖閣諸島を巡る日中対立と、レーダー照射問題についての記事、といっても事実関係を報道するだけの記事ですが、が載っていまして、今日現在で400件を超す読者コメントが寄せられています。例によって狂信的とも言える中国支持のコメントが圧倒的で、日本を擁護する、もしくは日本の立場を代弁するコメントは数えるほどしかありません。

お一人、中国在住の日本人だそうですが、現地の知識層と対話を重ねる中で日本の正当性を地道に説いておいでの方が投稿されていて、話せば話すほど現地の知識人は日本の立場に理解を示してくれるそうですが、この発言には勇気づけられました。にもかかわらず、スレッドは相変わらず日本の右翼の宣伝カーもびっくりというようなプロ中国のコメントで埋め尽くされています。

ここ10年、もしくはそれ以上かもしれませんが、中国は国際社会の世論形成において不利になることのハンディを、ややもすると過剰に意識しているところがありまして、The Economistに投稿する読者コメントも、少なからぬそれは官制プロパガンダもしくはそれに近いソースによるものではないかと見ています(無論、そうではない一般人からのものも少なからず含まれるとは思いますが)。まずもって、The Ecoomistのまともな読者であれば素通りされること間違いなしのファナティックな書き込みは、百害あって一利なしではないかと思うのですが、中にはまじめに中国の主張を語ろうとする書き込みも少なくありません。

察するところ、彼らの狙う落とし所は国際司法裁判所における審理と裁定と言うことかと思うのですが、それをすることで日本に対しては譲歩させたという実績を築き、国際社会に対してはルールに従う中国というイメージを宣伝したいのではなかろうかと。

日本の国益にそれが適うもの、という時代がくるのかどうかわかりませんが、今のところ日本政府にはそれを取り上げる気配は見えませんね。

むしろそれより、今回の事件は偶発的な軍事衝突のリスクをどう回避するかがポイントであろうと思いまして、僭越ながらホットラインの設置を志向する動きについて読者コメントを投稿させていただきました。