新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

安全と安心

2月9日号のBusinessには、中国で爆発的に増加しているアメリカ流ファストフード産業と、安全・安心に関わる消費者意識の変化に関する興味深い記事が出ています。日本でもおなじみのケンタッキーフライドチキンやタコベル、ピザハットなどのブランドを所有するYum!社がその主役なのですが、昨年フライドチキンの原材料から、規制を超える抗生物質が検出されたという事件があり、その後大きく売り上げが落ち込んだというもの。しかもその影響はYum!社の他のブランドにも広がっているのだそうで、中国における急拡大が社業を支えていた同社としては大きな影響を被ったとのこと。会社側のコメントとして「回復までにどれだけ時間がかかるのか分からない」という一言で記事は締めくくられています。

中国製の粉ミルクが今になっても売れないことなど、中国市場が求める安全・安心は一旦傷つくと回復に随分と時間がかかるもののようです。逆に、長年の努力で得た信頼は長続きするということなのだろうと考えれば、日中関係の冷え込みにも拘らず売れ続ける日本製の空気清浄機やベビー用品などの成功の理由が判るような気もするのですが。