新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

見捨てられつつある国

ネットでは2月23日号が流れています。

Leadersのトップは、国として機能しなくなりつつあるシリアについての現状報告と、アメリカの関与を促す内容になっています。長引く内戦を収め、統治能力を失ったアサド政権に代わる新しい政権の絵が描けない中で、未だに強力な軍事力を有するアサド氏が自らその任を離れる日が近いとはとても思えない。

アラブの春」とも呼ばれた一連の反独裁政権闘争が、春は春でも大荒れの嵐となって、今やシリアのような長い歴史を持つ伝統国の存在をすら脅かすことになっているという事実を、私たちはどう受け止めたら良いのでしょうか。日本では、公武合体と開国を進めようとした江戸幕府に対して倒幕を叫ぶ半ば理不尽な反体制派が力を持つ流れの中で、攘夷という名の対外国人テロリズムが跋扈したのはわずか150年前の事でした。騒動を収めてすぐに国力を高めたという経験から導き出せる英知が、日本には何かあるのではないかと思うのですが。