新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ハッカー問題と中国における知財

2月23日号のChinaには、先ごろ日本でも大きく報じられた人民解放軍によるサイバー攻撃への関与に関する記事が出ています。日本のメディアは何かそれが軍事的な意味合いを持つものであるかのような読み説きが目立ったと思いますが、The Economistの関心はそれよりもむしろ経済的な被害に向いているようで、~たとえハッカーに情報を取られても、ブランドを気遣ってなかなか公表しないような~民間企業が関わる知的財産権の問題に焦点を当てた記事になっています。

ひとつなるほどと思えたのは、「中国もまた、年年歳歳自国開発の知的財産を守る必要性に迫られており、いつまでも他人のコピーをやっていればよい状況ではなくなりつつある。そうなればむしろ自国の権益を守る意味で知的財産保護に本気で取り組むようになるだろう」という同紙の分析ですかね。

一頃大変問題だとされたコピー商品も、法制度が整備されたり会社側がさまざまな予防策を取るようになったりしたことなどがあって、依然として問題ではあるものの「ある程度管理できる」レベルの問題だと整理されつつあることを参照しつつ、「知的財産権についても同様の変化を望みうるのではないか」との見解を述べています。

ものごとの中長期的な先を見ることの大切さは巷間良く言われるところだと思うのですが、国際経済に関しても然り、というところでしょうか。その意味で、記事が予想するような中国の経済的成熟を期待したいと思います。