新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

バングラデシュの限界

3月9日号のAsiaですが、トップ記事は独立戦争から42年経つものの、戦争犯罪を巡る国内司法の対応が政党間の深刻な対立を呼び起こしているバングラデシュの現状について詳しく伝えてくれています。

The Economist一流の書き方なのですが(で、日本のメディアはこのあたりを詳しく伝えることはしないのですが)、対立の結果生じた衝突によって「殺された警察官の眼をくりぬいた」だとか「19人の警察官を生きたまま焼こうとしたが失敗し、うち一人の首を刺して殺した」等の記述で事態の(というか、対立する人間の心にかき起こされる憎しみ)の深刻さの度合いを伝えています。

先鋭化した対立は、更なる先鋭化を招き、それを政治が止められないという構造は、もう長いことバングラデシュの抱える宿阿の業としてこの国を苦しめてきたように思います。

日本の投資も数多く進出し、ベトナムに次いでチャイナプラスワンの向け先と見られている同国ですが、このあたりはしっかりと認識されるべき要素なのだろうと思います。