新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

最高の機会とその前に立ちふさがる難問と

3月16日号のBusinessには、バックオフィスサポートから11億人の市場に向けたeコマースへとビジネスモデルの中心が移り変わろうとしているインドのIT業界とその投資環境に関する大変興味深い記事が出ています。

それによると、たとえばスマホとGPSとタクシー無線を組み合わせたようなシステムを使い、ユーザーが求める先に車載型の移動店舗をオンデマンドで展開できるといったようなシステムを提供するビジネスが大当たりしていて、これら成功しているモデルの成長率は毎月(毎年ではありません)30%にも達するのだとか。

とはいえ、やはりインドのことですから、どれだけ凄い成長機会があったとしても、コトはそう簡単ではないようでありまして、①市場の大きさの割に、多くのインド人はクレジットカードや銀行口座など、有効で信用できる支払方法を持っていない、②成長機会に見合う危険資本を負担できる人や会社がいない(または規制されていて手が出せない)、③肝心の情報通信業界は、脆弱な経営体質の会社が多数乱立している状況で、新規事業に力強く踏み出せる状況になっていないという三題話が、共通の障壁として投資家の前に立ちふさがると言う状況だそうです。

英語が通じること、才能ある人材が多数いることに加えて、アイディア豊かなビジネスマンと変化に飢えた巨大市場という最高の機会に恵まれたインドでは、これら課題を解決できさえすれば、何かとてつもない夢が叶いそうな気配が漂っているということでしょうか。