新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

地球温暖化は進んでいるのか

3月30日号のScience and techhologyは、最新の観測に基づく「地球温暖化」についての様々な議論を紹介しています。発端となったのは、平均気温だけでみたデータがここ15年ほどさほど変化しておらず(それまでは国連が示したモデルに相当する気温上昇が見られていた)、まもなくモデルが予測した気温上昇の範囲を下回る可能性が高いという事実です。

地球は温まっていないのか?

この疑問について、さまざまな研究の成果が紹介されているのですが、新しい研究では概ねCO2排出量当たりの温暖化影響を低めに算定しているものが多いようです。

だったら、人類はもっとCO2を排出しても良いのか?と言われると、長期的な影響を勘案するとき、それは必ずしもそうとは言えない要素だろうと思うのですが、なにせThe Economistは資本主義経済の旗手ですから、もしも本当に気温が上昇しないとすれば「地震のない国に地震保険は無意味」との見解を妥当なものとしています。

考え方としては解るのですが、程度の差こそあれ、やはり気温が上昇するであろうことは多くの科学者が指摘している話ですし、モデルの上限値はどうかすると平均で4度も上がるというものであるだけに、「やはり地震(気温上昇)はありそうだ、だったら保険を買うか。」という意思決定の方が妥当であるような気はするのですが。

更に言うと、気候変動はなにも気温だけではなく、たとえば風が強く吹くこととか、温度変化が激しくなること、雨が強く降ることなどにも表れているような気がします。エネルギーがこちらの変化に使われてしまうため、気温が上がらない、みたいな要素もあるような気がするのですが、そのあたりは素人考えに過ぎないかもしれません。でも、「地球温暖化」と言っている限りこれらの影響を見落としてしまいがちなのでは、と思います。むしろ「気候変動問題」として捉えなおしたほうが、妥当性の高い対応が出来るのではないでしょうか。