新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

Sony大丈夫?

5月18日号のBusinessには、アメリカの投資ファンドからソフト部門の切り離し要求を受けたSonyの現状について、ちょっと示唆的な記事が出ています。

いわく、事業価値の大きそうなソフト部門切り離しをSonyがどう検討するのか、という問題について考え方の推理をするような話なのですが、そもそもこの投資ファンドはアメリカで毀誉褒貶のある存在のようで、しかるべき検討を行ったうえでSonyは適切な対応をするだろうという読みで、それ自体は大きな問題と整理していないような書き方なのですが。

問題は、Sonyがお家芸のイノベーションを忘れてしまったことにあるのではないか、むしろそんな本質的疑念が記事の後半には色濃く出ています。

ウォークマンの昔とは、およそかけ離れた現状について、ファンドからちょっと何か言われただけで、あれこれ検討したり、外の言うことを聞こうとしたり、イノベーターらしからぬ腰の定まらなさが、いかにも頼りなく映ったということなのでは?

「神は細部に宿る」とか申します。かつてのSonyが得意としたイノベーションが、細部の極みを大事にする、とても日本的なそれだったのだとしたら、実は会社がグローバル企業に脱皮する中で、最も大切なそれを、どこかに忘れてきてしてやしないですか、記事はそんなメッセージにも読めなくはありません。でもまさか短期実利主義のアングロサクソンが、そんなこと言わないですよね。