新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

釈然としない中で

6月1日号のBanyanは、先ごろ行われたマレーシア総選挙を巡る政治の虚々実々ぶりと、票数で上回りながら獲得議席数で負けた野党指導者、不人気と言われる与党そしてナジブ・ラザク首相の選挙後の発言などに基づいて、今後の展望を分析しています。

かつて副首相として次代の指導者となることが確実視されながら失脚したアンワル・イブラヒム氏は野党を率いる立場にあり、選挙を巡るラザク首相との密約や与党による不正などを糾弾する立場にあるようですが、選挙後の調和と挙国一致を呼び掛ける首相との間に過度な緊張が走る訳ではなく、マレーシアはそれなりに成熟した(?)国家としての立ち居振る舞いを見せているようにも見えます。

ただ記事が指摘するように、アンワル氏の後継者は彼の下には見当たらず(まだ、あるいはもう65歳)、他の野党指導者に後継の期待が集まる状況のようでもあり。

国家として成熟度を増す中では、いつかはマレーシアもスムースな政権交代を経験するのでしょう。それがアンワル氏なのかどうか、記事が結論付けるとおり、必ずしも定かでない、というのが妥当な読み説きであるような気がします。