新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

電気の問題

6月8日号のAsiaには、南アジアにおける宿阿の業とも言える盗電と、それを許容する電力会社の汚職という大きな問題を抱えたパキスタンの現状についての記事が出ています。

それによると、ラホールの貧民街ではあたりまえのように盗電による電力供給がなされており、電力会社の担当者は、業務上警告を発し個別訪問をするものの、そこで集めるのは電気代ではなく「見逃し料」的なワイロなのだとか。

他方、首都カラチあたりでは、電気代を払わない人は強制的に配電が停められるという措置が取られており、状況はまだマシのようです。

発電部門についても、コストの高い天然ガス発電が主流で、原料供給を輸入に頼るため、発電は外貨事情の逼迫に繋がる要素なのだとか。国内資源に頼れるはずの石炭や水力発電など、代替的な電力にはなぜか開発の手が向いていないというのも良く分からない話ですが。

シャリフ新首相に課せられたさまざまな課題のうち、電気の問題は象徴的に彼の国の混迷ぶりをあらわすもの、という読み解きなんでしょうね、The Economistとしては。