新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

何より早く

6月22日号のScience and technologyには、ちょっと懐かしいテレビ番組の話に絡めて、科学技術の進歩に関する示唆的な話が出てましたので、今日はそれについて。

かつて「サンダーバード」とか「キャプテン・スカーレット」なんていうSF人形劇がありまして、イギリス製の番組だったのですが、日本でも結構人気があったように思います。記事は、それらの番組で取り上げられていた「過去の未来技術」の多くが必ずしも実現せずに終わっている現実について、コストが高すぎたり、うるさすぎたり、そもそも荒唐無稽だったりしたことによる、と分析しています。

日本でも、手塚治のマンガやアニメなどに数々の未来技術が登場しましたし、当時は21世紀になればクルマは空を飛んでいるかも、と漠然と考えていたものでした(実際には・・・ご覧の通りですが)。

超長期で見れば、科学技術の進歩が過去のSFを今日の現実にしているというような側面は確かに存在するのかもしれませんが、それよりむしろThe Economistが皮肉交じりに言う、「昨日見た未来の夢ほど早く陳腐化するものはない」、という結論のほうがよほど技術開発の難しさや、それによって醸し出されるやりがいを表わしてくれているような気がします。技術開発に人生を掛けている方々への、ある意味での応援歌として。