新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

肝心な時に

8月17日号のAsiaには、さきごろ熱狂の総選挙が表向きは平穏に終了したカンボジアの現状と、期待された野党指導者の動静についての示唆に富んだ記事が出ています。

通常、日本のメディアでも選挙の直前と直後には何らかの報道があるものですが、選挙が終わってしばらくたった段階の様子が報じられることはほとんどありません。実際はこのあたりの観測が実に重要だと思うのですが、The Economistはそのあたり抜かりなくフォローしてくれています。

消えない不正の噂とは別に、途上国では珍しく(?)与野党逆転を望めるところまで健闘した野党側の支持者がデモや暴力に訴えるというシーンはごく限られているようで、忍耐強く民主主義を定着させようとする国民の思いが伝わってくるような気がします。

そんなときに、選挙直前に亡命生活から帰国した野党リーダーのサム・レンシー氏が、娘さんの結婚式出席を理由にまた国を離れたとのこと。野党側を静かに、しかしながらしっかりと団結させるためには、重要な時期だと思うのですが。