新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ケニア襲撃事件

ネットで流れている9月28日号ですが、表紙そしてLeadersのトップは世界に広がるアルカイダのネットワークとその脅威について、ということで、おそらくはこの記事の引き金になったと思われるケニアの事件についてはBriefingでネットワークの詳細について書かれている記事についで三番目という扱いです。

それほどまでに、The Economistおよびアングロサクソンの知識社会においてはアルカイダとそのネットワークに関する問題がよく煮込まれている、ということの証かもしれません。日本のメディアでは、事件の背景として付け足しのように語られるこの問題が、実はそれだけ根深いということについて、認識を新たにさせられた報道でした(ちなみにケニア大統領の甥と婚約者も事件の犠牲になったのだそうです。大統領について、数年前の内乱を巡る国際司法裁判所の審理も延期されることになったのだとか)。

今年の4月にケニアを訪れる機会があったのですが、事件のあったショッピングモールには3週間ほどの滞在期間中に数回出かけることがありました。また、企業や団体を訪問するスケジュールの合間に昼食を取る場所としても重宝しまして、ケニア経済の成長ぶりを実感できる場所の一つではあったわけですが、そんな場所がテロの現場になるとは、その時は思いもよりませんでした。

ケニアについては4月以降、モンバサ市で日本人ビジネスマンが銀行帰りに襲われて命を落とし、空港ビルで大規模な火災が起きるなど、トラブルめいた話ばかりが聞こえていたように思います。

元来ケニア人は、争いを好まない気質の国民性を持っていると言われています。アフリカにあっては比較的勤勉で、我慢強い人が多いのだそうですが、願わくばテロの脅威に負けず、しっかりと国造りを進めてほしいものだと思っています。