新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

景気刺激と緊縮と

9月28日号のSchools briefは、先進各国共通の課題ともいえるリーマンショック後の財政再建への見通しについて、厳しい見方を書いています。いわく、景気刺激策としての財政出動に加えて、各国とも税収の低下が財政をさらに悪化させていること、したがって減税による景気刺激策は言ってみれば有限で、ずっと続けるわけにはゆかないことなど。

日本でも、企業に対しては減税で、そのかわり消費税を上げるという両面作戦が実施されつつあるわけですが、小出しの企業減税が企業利益の向上と給与アップにつながるかと言われると、必ずしもそうとは言えないのではないかという気がしています。

今日的には中小企業と言えどもその企業活動はグローバル化しつつあるわけで、だったら「一定以上の人数の日本人を一定以上の条件で雇用してくれた会社は税金を国際標準を下回るレベルにする」くらいの思い切った方策に絡めて消費税増税を言わないと、本気の企業が日本で日本人を雇用し高い給与を払うことにはつながらないのではないかと思います。政府もそのくらいのことはわかっているのだろうと思うのですが、そこまで言わない理由があるとすると、依然として日本企業には技術力などによる収益力がある、ゆえに税金をまけることで企業誘致をするほどの状況にはない、というご判断なんでしょうかね。

将来に対する多少の思惑が企業収益の向上につながり、それが消費税増分を吸収するくらいの給与アップにつながってくれると良いのですが、はたして?