新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

神が退くとき

10月19日号のAsiaには、日本でほぼ全くスルーされているのに東半球全体では大変多くのファンから好かれているスポーツにおいて、神と崇められたスーパースターが引退する件に関する記事が出ています。おそらく日本のメディアは一顧だにしないそのスポーツとは、クリケットです。

そしてそのスーパースター~実は私も初めてその名前を目にしたのですが~、インドのサチン・テンダルカーが母国においてどれだけすごい存在であるかを記事は客観的に語ってくれているのですが(たとえば彼は100得点以上の試合を100回やっているそうですが、これはぶっちぎりの記録で、世界2位のオーストラリアの選手を29試合も引き離しているのだとか)、私自身はまったくクリケットを知らないこともあって、関心をひかれたのはそれよりもクリケットがインドにもたらした大きなメリットについての分析でした。

いわく、宗教やカーストが社会の融合を阻むのを緩和したこと、テレビを普及させたこと、そしてなによりかつて植民地であった同国が国際的に活躍し、国民のプライドを高めたことなどだそうです。

日本でいえば、大相撲と野球とサッカーを合わせたような(?)単なる国技、単なる人気スポーツ以上の何かだと思うのですが、そのスーパースターが引退すると言えば、大鵬イチローと香川が一緒に辞めるようなもので(?)、インド人にとってはショッキングな出来事なのではないでしょうか。

もしもインド人のお友達がいたら、ぜひこの話題を投げかけて、テンダルカーの引退がインド全体に及ぼす影響を聞いてみてはいかがでしょう。いや、ただでさえ話好きの多いインド人をよけいにしゃべらせるような話題は、むしろ避けるべきかも?

む、難しいところですね。