新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

動かないと

11月23日号がネットで流れてますが、トップは内政面でまたコケたオバマ大統領についての記事です。日本では、やや淡々と報道された気配がありますが、鳴り物入りで導入されたオバマケアのウェブサイトが不具合でうまく動かなかったことがそれです。大統領本人の責任にできない部分もあろうかとは思うのですが、その発生経緯を垣間見ると、締切近くになって大幅な変更があったり、予定通り稼働できる見込みが低いという情報が大統領に届いていなかったりと、「失敗すべくして失敗した」らしいことが見えてきます。

なんだかみずほ銀行で繰り返されたシステムトラブルによく似ていて、いずこの国もオンラインシステムで大きなことをやろうとすると、組織の弱さや硬直性、わかっていて何もできない無力感などがにじみ出てしまうということなのかなと思います。

オバマ大統領にとって、内政面で残る大きな課題といえば金持ち増税と移民政策の見直しということかと思うのですが、戦争しまくって財政に穴をあけたブッシュ時代のツケを払ってあとしばらくアメリカが頑張ってくれるような基礎を作れるチャンスと言う意味においては彼になんとか頑張ってもらいたいものだと思います。

二期目ということで、The Economistも言うように外交面で救いを求めるという手はあろうかと思うのですが、TPPの成立に加えて「アジア外交重視」との政策についても、アメリカ側の事情を読んだうえで何らかの貸しを作るような動きができるようだと、日本の立ち位置もまた、変わってくるのだろうと思います。それを中・韓各々との二国間関係だけに絡め取られて自ら動かないままだと、結果としてまた好機を逃したようなことになることも懸念されるのかなと思います。