新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アメリカのヨーロッパ化

1月5日号のLeadersトップとUnited Statesのトップはそれぞれ「財政の崖」に直面したアメリカ政府・議会の対応についての論評記事と詳細内訳が出ています。オバマ大統領および政府・与党(民主党)が主張する高額所得者への増税は大幅にその対象が縮小し、The Economistに言わせれば「パッチ充て」に過ぎない規模となりました。他方でベイナー下院議長率いる野党(共和党)の主張する小さな政府に民主党が舵を切る気配はごく小さいものに止まっており、とても長期的な視点に立った改革と呼べるものではありません。

第二次大戦後はイギリスに代わり、かつてジョセフ・キップリングが「白人に神が与えた使命」と詠んだ世界へのリーダーシップを示してきたアメリカも、人口構成や経済状況、世界の潮流が変わる中で、ヨーロッパがそうであるように財政問題に足を取られて動けなくなってゆくのでしょうか。そうであってほしくないと願いつつ、それでも起きていることをしっかり捉える必要があると思うので、しみじみと記事を読んでいます。