新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アフリガニスタン?

ネットでは、1月26日号が流れています。
Leadersには、「アフリガニスタン?」という洒落をタイトルに、アルジェリア事件の背景となっているイスラム教過激派の動向と、サハラ砂漠地帯の治安状況そして国際社会の対応に関する記事が出ています。それによると、フランスのマリ出兵も元々は元々は自国民の保護を目的としたものであったのだとか(一般的に、海外派兵についてまわる弁法ではありますが)。それに対してアメリカやドイツは歩調を合わせてこなかったと言いますから、やはり何か温度差を生じる状況にはあったのだろうと思います。

日本の場合は自国民保護を目的とした場合も軍事的な活動ができないという制約条件の下にあるため、そもそも何が出来たのかと言う議論についてはやや総括しにくいところがあるように思います。自国民の安全については相手国政府の保護に頼るしかなく、相手国政府にその能力が十分でないとすると、その国で経済活動に従事する訳には行かない、と言う議論しか選択肢がないのではないか、と言わざるを得ないところにやるせなさを感じます。The Economistが説いているのも、貧困に起因するテロリストの温床を断ち切るには経済開発を通じた支援が不可欠だと思うのですが、これまで軍事的な保護を持たずにやってきた日本がこの事件を契機に見直しを進めるようなことがあるとすれば、支援の手も届きにくくなる惧れが生じるわけで。なんとかそれを回避する手立てはないものでしょうか。