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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

財政健全化と打ち出の小槌

ネットでは1月11日号が流れています。Leadersのトップは、OECD諸国に見る国有財産価値と民営化がもたらすさまざまな効用そしてリスクについての記事となっています。かつてレーガンサッチャーの時代にはさまざまな国有財産・事業の民営化が行われ、日本でも国鉄やNTTの民営化などが大きな改革として実施された経緯があります。

停滞する欧州経済にとって反攻の切り口となるかもしれない一つの可能性として、民営化による財政の健全化と言うシナリオがある、というのがThe Ecnomistの意見であるようです。

さて、それを買うのは誰なのか、そしてその効果は単に一国の財政のみならず、欧州経済を、さらに国際経済全体を健全化するための良策といえるのかという議論になったとき、「買う側の体制は大丈夫?」と思ってしまうのは、サブプライムローン問題でやけどを負った記憶がまだ新しいせいかもしれません。債権の小口化・証券化そして流通のためのシステムは万全、だったにもかかわらず、本質的な資産の劣化に対抗する手立てが盛り込まれていないと、やはりまた同じことが起きないとは限らないのではないかと思います。The Economistはそれよりも売る側のデータの信頼性に注目しているようですが、代われた債権が流通してゆくであろう過程を考えると、やはり買う側の体制づくりのほうが大事なのではないかと思ってしまいます。たとえば日本も、官公庁の庁舎を売却してReitに仕立てるというような話があったとすると、これは結構な「財源」になるのではないかと思うのです。あるいは新興国に対する円借款の残債なども、当時のソフトローンの金利が現在の市場金利より高かった時代もあったわけで、そう考えると設計の仕方によっては魅力的な財源にできるのかもしれません。

民主党政権時代にブームとなった「埋蔵金探し」のプロセスで浮かび上がってこなかったということは、これらの案も何か難点を抱えているのかもしれませんが、自民党政権になったからと言って消費税を上げればそれでOKという話でもないはずなので、きちんとした目配りを求めたいものだと思います。