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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

不公平は減る方向にある、と言う認識について

3月15日号のLeadersトップ記事およびInternationalは、縁故主義経済の現状と先行きについて、ちょっと見には意外なほど楽天的な記事が載っています。

曰く、縁故主義による不公正な競争環境が強いのはロシア、ウクライナ、マレーシア、フィリピンなどの諸国であり、先進国は比較的縁故主義の度合いが弱い(とはいえ、それが先進国のあり方を正当化するものではない)、中国についてはデータを把握しきれないところがあって、縁故主義的な色彩は数字に表れるより強そうだ、その他あれこれと注釈はつくのですが。

時代の変化に沿って眺めると、縁故主義による不公正がはびこりにくくなっている要素としては次の三点があげられるのだそうです。(1)昔よりも法律が守られる傾向にあること、(2)おカネの流れが縁故主義のはびこりやすい建設土木系からサイバー系に移ってきていること、(3)政治改革による経済開放が成果を挙げていること、だそうです。

私も、成長著しい途上国で仕事をする機会が多いのですが、現場では(1)や(3)について皮膚感的に感じることがあります。若手の行政官は旧態依然たるボス中心の政治を、なんとか近代化させたいと思っている例が多く、少なくとも時代に逆行する例は、まず見かけないこと、昔風のワイロ主義も根絶されたわけではないものの、改革による成功事例が喧伝されるようになり、自らもそうありたいと考える人たちが増えていることなどを目撃する機会が増えてきたように感じています。(2)については、おカネの流れというよりは、情報の流れが一昔前とはあきらかに違ってきている点が大きいのではないかと思います。様々な意見がリアルタイムで行き交うようになり、それぞれが論拠となる情報を開示し合っているわけです。その意味で、政治体制が民主主義ではない中国と言えども、ずいぶんと民主的な情報交換が行われるようになっている(そもそもこの構造が歪みなのですが)と感じます。この流れがやがて体制が縁故主義による不公正・不合理なそれであることを許さないほどに強まってゆく、The Economistはそんな見立てをしているということなのだろうと思います。