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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

中国市場に見る消費者保護のありかた

3月15日号のBusinessには、中国が新たに施行した消費者保護法がもたらす変化について、外資差別が強まることへの懸念が示されています。

消費者保護の名を借りて、苛烈な規制をかけ、その実外資系企業に対してのみその実行を迫るというパターンは、最近の中国市場ではあからさまになってきた感がありますが、今回の法律にもそのような傾向が見て取れる、のだそうです。たとえば消費者の権利に関する集団訴訟についての規定があるのですが、実態的に中国の集団訴訟は党が認めたものしか実現しないのだそうで、これまでもそうだったように国営企業相手の集団訴訟はそれ自体が実現しないおそれが高いのに比べて、外資系企業に対する訴訟を阻害する要因はないということになるので、リスク管理面で競争条件に大きな差が出てくる、というものです。実際に現地の関係者の間では外資と国内企業の差別について「場当たり的で恣意的な」法律の運用を懸念する声が聞こえているそうで、外資系企業は「国際的には当たり前なのに、中国では消費者保護のため特別に求められる」要件への適合を強いられるリスクに直面しなくてはいけない、ということのようですね。

先進国化・大国化の動きの中で、しっかりと消費者を保護するという考え方は悪くないとして、それが本来の人権の在り方に比べていびつなまま進化すると、いびつさが更に酷くなるという一例ではないかと思います。