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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

限界化する台湾

3月29日のBanyanは、その政治的な立場や役割の重要性がどんどん希薄化する台湾と、2016年の総統選挙で苦戦が予想される与党・国民党についてのもので、ウェブ上では最もrecommendされた記事となっていますが、確かに読み応えのある内容です。

最も目を引くのは、アメリカの政治学者ジョン・ミーシュマイヤーが最近発表した論文の中で「戦略的な視点からアメリカが台湾を捨て、中国に統一されることを受け入れる可能性」について論じたことが台湾で注目を集めている、と言う点でしょうか。

現在の台湾では、この論文に近い立場、すなわち「統一されても仕方ない」「台湾には抗する力がない」と言った諦観論から、中国本土とのサービス貿易自由化に関する交渉に反対してデモを行っている学生たちに代表される統一反対論、野党民主党に代表される独立論まで幅広い議論が存在する中、国民党そして馬英九総統は中道的な政策を模索していると言えるのだそうですが、有権者も、そして馬総統自身も、将来に確信が持てない状況が続いているということのようです。

特にシリア問題を巡っては、世界の警察官であることを放棄したと言われるアメリカですが、同様に東アジアでも民主主義の後退を受け入れることを「戦略的に」選択することがありうるというのでしょうか。他ならぬThe Economistが注目している台湾の現状は、その帰趨を占ううえで大変興味深い状況にある、と言うことかと思います。