新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

気にならなくても

4月5日号のFinance and economicsには、日本の経済特区についてThe Economistならではの論評が出ています。日本に暮らしている日本人の目には気にならないことでも、外から見ると目につくという典型のような話かもしれませんが、たとえば日本で外国籍の医師は診療ができない、と言う話について。

裏付けを取っていないので、しかるべき手続きを踏めば云々ということなのかもしれませんが、状況的にふつうガイジンのお医者さんを見ることはまずない、と言うのはそのとおりだろうと思います。アメリカなど「医療先進国」では、研修等で(日本を含む)諸外国からやってきたお医者さんが普通に病院で働いているのに比べて、日本で医療を学ぶ外国人は日本の患者を診る機会にほとんど恵まれていない、ことは明らかだろうと思います。

で、経済特区の構想にはこれを認めようという動きがあったようなのですが、いわゆる役所の抵抗があって、外国籍の医師が診療できるのは外国人に限る、と言う話になったのだそうで。素案段階ではそのような仕切りはなかったのだそうですが、なあんだという後ろ向きの変化の典型ではないかと思います。他ならぬ特区でこの程度のこともできないのが日本という好例、ですかね。