新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

スペインの憂鬱

4月19日号のBusinessには、オリーブオイルやワインの生産に関するスペインの現状についてちょっと興味深い記事が載っています。実は先週仕事でスペインに行ってきまして、大変きれいで落ち着いた国に見えたのですが、それがゆえに興味をひかれたということもあります。

記事によると、オリーブオイル最大手企業の身売り話について、買い手が外国資本だったことからスペイン政府が国有化を示唆するという展開もあり、結局は英国の会社が資本参加したものの、当座はスペインの株主が多数を保有することになったのだとか。

なんでまた、そんな話になるのかと言うと。

オリーブオイル、あるいはワインもそうなのだそうですが、生産面だけで言うとスペインはイタリアやフランスをしのぐ世界最大の産出国なのだそうで。ところがそのうち少なからぬ量がバルクで売られ、イタリアやフランスの有名ブランドに混入されて輸出されるのだとか。バルクものと有名ブランドでは、確かに儲け代も違うだろうと思います。

で、会社としてみれば収益率が頭打ちになって、それがゆえに投資家から見れば必ずしも魅力的とはいえない株式であって(リスクは少ないかもしれませんが)、だったら売ってしまえ、と言う話になるのも無理からぬところがあるのかな、と。

スペインとブランド、という組み合わせには確かになんとなく距離を感じます。出張前は、そんなに素敵な国だと思わなかったのは、ブランドから連想させられるイメージが今一つだったせいもあるのかもしれません。でも、ほんとは素敵な国なので、何とかうまいことブランド価値を高めることができると良いのに、と思います。頑張れ、スペイン。