新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

遠因

ネットでは6月21日号が流れています。

Leaders のトップは際限なくそのビジネスの守備範囲を伸ばすアマゾンドットコムについて。そしてその次は、先日も書きましたがイラクで猛威を振るうISIS ( Islamic State of Iraq and Greater Syria)について、となっています。

アマゾンは確かに興味深い事例なのですが、ISISの記事を読んでいてちょっと不思議に思ったのが書き出しの段落で、そもそもどうして、と言う話が書いてあるのはさすがThe Economist大英帝国のメディアだからと言うことだろうと思うのですが、100年ほど前のこと、勃興するロシアなどがイスラム勢力への影響力を増さないように、オスマン帝国の版図を「民族や宗派ごとに」切り刻んだ、とのご説明です。フランスと組んで私たちはこのあたりをきちんと切り分けました、とでも言いたいのでしょうか?

だったらどうして宗派対立が際限なく起こるのか?ですが、どういう意図があったにせよ、イラクを含むこれらの国々が、「仲良くできないもの同士」が押しこめられられた状態にあることがそもそもの原因である、という根源的な認識がどうして取り上げられないのか、ですね。

それを許してしまうと都合の悪い何かが多分そこには居るはずで、それをのさばらせた遠因が、おそらく歴史のそのあたり(100年前のイギリス?)に見え隠れすることへの、たぶん気持ち悪さを最初の段落で払っておきたかったということなのかなと。

今やその力も凋落著しい大英帝国ですが、そこが歴史の時計を巻き戻せないなら、古い縛りに囚われる必要もないわけで。様々なプロセスはあったにせよ、シーアの国、スンニの国、クルドの国にがらポンするくらいのことを、やれても良いのではないかと思うのですが、イラクの方々はどう考えているのでしょうかね。