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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ズレが語るもの

1月10日号のThe Economistのトップ記事は、パリで発生した同時テロ事件に関するものでした。ヨーロッパの主要メディアとしては当然の扱いだと思います。

他方で、データをして語らしむるページがしっかり掲載されていて、それによるとフランスのイスラム系住民は全体の8%と、EU諸国の中でも高い比率だそうですが、自分の周辺にイスラム系住民がどれくらいいると思うか、をアンケートで調べたところ、フランスではなんと回答者の平均で31%くらいの住民がイスラム系だろうと思われている、という調査結果になったのだそうです。この乖離が何を物語るのか、大変興味のあるところです。

いわゆるハインリッヒの法則によると、1件の事故には29件の小さな事故と300件ほどのトラブルのタネがつきものだそうですが、もしも今回の事件の裏にそんなような兆候が発生していたのだとすると、問題の根は深そうです。

確かにヨーロッパでは、2011年まで減り続けてきたテロの件数がまた増加の傾向にあり、そのうち宗教的な動機に基づくものの比率も3割程度を占めるのだそうで。

イスラムと西側は共存できない」と考える人の割合も、欧州主要国では軒並み過半数に近いかまたは超えているのだそうですが、だとするとこの緊張関係は、かなり長期に渡って非生産的な状況を作り出すことにつながるのではないかと懸念されます。

「移民」については、日本にとっても他山の石とすべき重要な政策課題だと認識しますが、この事件を通じて日本が学ぶべきことは何なのか、しっかり考えてみたいと思っています。