新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

おカネの流れ

The Economist誌1月24日号を通覧していて感じるのは、世の中のおカネの流れがどんな具合なのか、立ち位置によって随分と違って見えるということでしょうか。

1)アメリカは、任期をあと2年としたオバマ大統領が掲げる「中産階級の経済」がポイントのようで、富裕層への課税に加えて経済の好循環が続いていることもあって、引き続き堅調な投資が見込まれるというようなイメージのようです。

2)中国は、ダボス世界経済フォーラムで引き続き外国投資を歓迎する意思を示したそうですが、人治の国においてコネを持つ中国企業と同じ土俵で戦う、と言う条件が外資にとってどの程度の障壁になるのか?それでも実績値を見ると、中国へと向かうおカネは着実に増えているようですが。

3)で、アフリカです。サブサハラ諸国へと向かう外国投資の流れは堅調のようですが、実額を見るとまだまだ十分とは言えないようで、旺盛な資金需要があるというのは判るのですが、あとはリスクの問題ということかと。

4)さて日本は?原油安、アベノミクス東京オリンピックと、悪くない条件が揃ってきているので、心配事の多い欧州やロシアなどに比べると、良い投資先なのではないかと思います。

長期的に見ればアメリカと中国、と言う絵姿はここしばらく変わっていないと思います。そんな状況の下、日本にしっかりとおカネを落とすための施策が何なのかについて、少し考えてみるのも悪くないのかなと。その意味でTPPは必須と思われますし、原油安はしばらく続く可能性が高いようですが、高品質エネルギーを安定的に確保するためにも、原発再稼働は前向きに議論されるべき、と思うのですが。

世の中挙げてトマ・ピケティに代表される分配論についての議論ばかりが目立ちますが、議論するにしても、その前提となるキャッシュフローのところ押さえたうえで議論したいものだと思います。