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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

スマホが変えた世界

The Economist誌2月28日号、Leadersの一本目は、スマートフォンが変えようとしている、あるいは変えてしまったとすら言えるかもしれない社会のあり方についての記事です。表紙もたくさんのスマホが形作る地球という象徴的な絵になっていて、水の惑星ならぬスマホの惑星とすら言えるような状況を端的に示してくれています。

今日ではすでに世界の成人の約半数がスマホを持っているのだそうで、これが2020年にはおよそ8割の成人がスマホを持つようになるだろうというお話。その売れ行きは、かつてのケータイやパソコンを含むあらゆる電化製品よりも速かったのだそうです。

使う人は朝から夜までずっと使っている、短い時間でもチェックしないと気が済まない人が多い、ずっと下を向いているので首が痛くなる症状が出るなどなど、なんだか全世界的にスマホ中毒にかかったような状況が報告されていますが、技術的な進歩や新たなビジネス機会の創造など、スマホが提供してくれた発展の機会は素晴らしいものだと思います。今どこにいて、何をしていて、誰と話をして、どうかするとどんな健康状態なのかを把握しているというスマホをうまく使えば、健康状態のちょっとした変化をモニターして、早目の通院を示唆してくれる、あるいは食事内容のアドバイスをしてくれる、というような使い方も早晩可能になる(センサーデバイスの開発が必要だと思いますが)のだろうと思います。だとすると、病院が提供するサービスも外来・入院の患者に対する治療より、スマホ経由のモニタリングと健康指導の比重が高まるような、そんな未来がすぐそこに見えているということなのかも知れないのです。

そういった個人データを通信業者経由で一括把握できるようになる、というのは為政者から見るとたとえば小説「1984」みたいな管理社会を作り上げることも可能になる、という見方もあるのかもしれませんが、そうした水をも漏らさぬ対応のできる独裁国家というのも多分そう多くはなく、むしろ「アラブの春」のような混乱が懸念される要素ではないかと思います。

The Economist誌も、スマホについては懸念材料より効用の方が大きいことを素直に認めていまして、そういう意味では21世紀の地球を大きく変えた発明と言っても過言ではないのかもしれません。