新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ヒスパニックとアメリカ

ネットでは3月14日号が流れています。Leadersのトップ記事は、アメリカのヒスパニック系不法移民対策について、ということで2050年の人口予測に基づいた融和策についての記事となっています。どうして融和なのか?というと、今から2050年までの間、日本と同じように老化と人口減少を経験する国際社会において、依然として若く、そして人口が増え続けると予想されるアメリカの、その人口構造を下支えするのが他ならぬヒスパニック系であることが予想されている反面で、彼等は現状あきらかに低所得・低教育層に置かれているため、彼らの底上げなくしてアメリカの繁栄なし、ということのようです。やがて社会を支える彼等に高度な教育の機会を与え、アメリカを支える力になってもらおう、というわけです。

他方で、たとえばテキサスなどでは共和党保守系の政治家によって不法移民の子弟教育にはハンディを課そうという動きもあるようで。世界の白人達にとって成功の象徴だったアメリカが白人の国でなくなることに対する抵抗感は、言葉では言い表せないものなのだろうと思います。

ISに参加する、少なからぬ外国人戦闘員は欧州で暮らすイスラム系移民の子弟だという現実も併せて考えると、移民の話は本当に難しいものだと思います。やがて日本も他人事ではなくなる時代がやってくるのでしょうか。以テ他山ノ石トナス可シ也。