新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

世界が幸せになる方法

ネットではいつもより早く4月4日号が流れています。Leadersを斜め読みしていて目が止まったのは、妊娠中の母体が受ける影響と子供の関係についての追跡調査を取り上げた記事でした。曰く、過去に母体が強いストレスを受けた時代の子供たちは他の世代より勉強ができず、所得が低く、より病気になりやすいという分析結果が出たのだそうです(根拠となる研究は詳細記事Internationalで紹介されています)。

もしも母体を健全にストレスなく保持できれば、生まれてくる子供はそれだけハンディを背負わずに済む、というふうに理解できると思います。

日本では人口が減りつつあるわけですが、世界に目を転じれば人口は明らかに増えつつあって、ということは妊婦の数もそれだけ増えているということになりますが、だとすると世界を幸せな方向へ仕向ける効果的な方法の一つが妊婦に対するケアの充実ということではないかと。

貧困がもたらす栄養失調や欠食は言うにおよばず、感染症にかからないこと、安心・安全な環境で生活できること、そして何より未来に夢が持てること。

いわゆる最貧国と言われる国々で仕事をしていると、圧倒的に多くの人々が、圧倒的に低レベルの関心事(モノを盗った・盗られた、ズルをする、ウソをつく、それらから身を守る)ことにかまけるばかりで、明日をそして将来を見通して何かをするということへの視点が極めて弱い、誤解を恐れずに行ってしまうと「平均値が低い」と感じてしまうことが少なくありません。

The Economistふうに解釈すると、ストレスのある母体から生まれた恵まれない子供たちにコストをかけて何かをするより、ストレスのない母体に元気な子供を産んでもらって園子たちに頑張ってもらったほうが、社会的なコストも安く上がるわけで、全体として社会の幸福度は上がるのだろうということのようですが、解釈の付け方はこの際置いておいて、世界が幸せになるための一つの方法ということで紹介させていただきます。