新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

時は脳なり

時は金なり、は英語でTime is moneyと言いますね。でも、Time is brainって言われたら?

答えは救急医療の現場では「脳血栓溶解剤」処方までの時間が、脳細胞の毀損を防ぐ最大のファクターであるという考え方を表したもの、だそうです。

4月4日号のScience and technologiesでは、脳卒中脳梗塞ですかね)の治療について近年大きな改善が見られていること、その理由はCT装置を救急外来に備え付けることで的確な診断に基づいた血栓溶解剤の処方が速やかにできるようになったことがある、と伝えています。で、それ以外にもう一つ注目すべきファクターがあるのだそうですが。

それは「人」だそうで、患者さんが一人で来院した時に比べると、一人付添が来るだけで15分ほど早く措置してもらえている、二人以上の付添が一緒に来るとさらにもう20分短くなる、というデータが医療情報誌のMedicine誌に発表されたのだそうです。

Medicine

なんというか、生死を分ける決め手が付き添いのあるなし、というのはちょっとやるせない話ですが、意外と人間社会の真実を表すデータなのかもしれません。脳梗塞の疑いで家族が救急車で運ばれるときは、見送らずに一緒に乗り込むか、タクシーを一緒に呼んで付き添うのが正解、みたいです。