新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

基地問題と言うのは

The Economist4月25日号のAsiaそしてBanyanには、アメリカの対アジア政策そしてその中に位置づけられる沖縄の米軍基地に関する記事があります。さすがに商業もしくは経済の話ではないだけ、The Economistも安全保障面からの直接的な論評は避けているのですが、ベトナム戦争で負けてから40年に渡るアメリカの対アジア政策は、中国の封じ込めを目指したものであったはずなのに、結局中国の台頭を加速させる働きしかしなかった、という言い方に「言いたいこと」が込められているのだと思います。

沖縄の基地問題は、本当に難しい問題だと思います。たとえばですが、中身も含めて自衛隊が主役になるような、現状を根本的に覆す長期ビジョンを掲げ、地道に現実と対峙するしかないのだろうとしか言えません。

日米安保協力を巡る議論ではホットな話として、「インター・オペラビリティ」という言葉があります。これは、アメリカ軍の指揮下に自衛隊が組み入れられることを意味するようですが、政治的に翻訳すると、「アジアの戦争で死ぬのはアメリカ人ではなくアジア人」になるように、という仕組み作りのコンセプトなのではないかと思われます。もしもそうであるならば、基地問題を含めた安全保障政策の根幹についても日本の発言権を認めさせる論拠にしうるのではないかと。今の日本では、誰もやりたくない話かもしれませんが、もはやこれを先送りできる時代ではないことへの冷静な認識は、その必要度が高まっきてているように思います。