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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

報道されないいくつかの話

5月2日号のLeadersとChinaでは、このところ安倍首相の訪米と日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)等に関して報道されていてもおかしくない、南シナ海で進む中国の海洋進出に関わる興味深いニュースがいくつか紹介されています。これらは、日本のメディアでは全く紹介されないか、紹介されていてもさほど重要なニュースだとはされていないものばかりではないかと思います。

1)中国が、米国バージニア州に自らの出資で「中国アメリカ問題研究所」と言うシンクタンクを作り、4月16日に開所されたこと。中国の政策などを「正しく」理解してもらうための機関だそうです。

2)南シナ海島嶼部の埋め立てそのものは中国だけが行っているのではなく、地理的にこれらの島々に近くさらにその島々を使うのが当然と思える周辺各国とも、さまざまな島に空港を作ったりしているとのことです。

3)アメリカのオバマ大統領が、安倍首相に対して中国の南シナ海での動きについてのはっきりした懸念を表明したということ。サラリと流すように報道するメディアはあったかもしれませんが、これを重要なポイントだ、とする考えそのものは、なかなか浮かび上がってきていないのではないかと思います。

日本のニュースでは、何と言っても尖閣諸島問題が一番で、そのつぎに南シナ海で行われている中国による埋立て工事の写真などが紹介されることはあっても、「ガイドラインにより、日本が南シナ海ASEAN諸国と日米の共通権益を守る」みたいな議論を見かけることはほとんどありません。日本のメディアが目を向ける先が、中国との衝突があるとするとそれは尖閣諸島だけで、それも日本から仕掛けることはないという思い込みから一歩も出ないということは、それだけで手落ちと言われても仕方ないことだと思います。起きうる事象について漏れの無い目配りをしておくことが大切なのではないか、ということを感じます。