新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

CSR、ではなくて

コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ(企業の社会的責任)を略してCSRと言いますが、The Economist5月23日号のBusinessには、それとは真逆のトラブルに直面した中国一の資産家とその会社についての記事が載っています。

李河君、もしくはLi Hejun氏は一時中国最大の資産家と言われた新エネルギー業界の大立者だそうですが、株主総会に欠席するなどしたことをきっかけに保有する会社の株が大量に売られ、あっという間に株価は半値近くまで値下がりしたのだそうで。記事によると、北京で開かれていたCSRに関する会合に出席するため株主総会の方を欠席した、との説明がなされたのだとか。

その値動きの激しさからささやかれているのは、公開株でありながらその多くを李氏が手元においていた(流通する株の実数が少ない)ことにより、良い時には大きく値を上げることにつながったのではとの観測もあるようです。で、悪い噂が立つと一気に株価が落ち込んだ、ということですね。

経営の、資本受託責任について(英語ではmanagement’s fiduciary responsibilities、略してMFRとでも言いましょうか)問われる破目になった李氏ですが、たしか日本でも少し前にそんな噂を立てられた例があったように思います。定められたルールの中での競争が、出来るだけフェアなそれであるための戒めとして、このような事例はとても重要だと思うのですが。