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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

跳ね橋を、上げる人と下げる人

The Economist電子版のトップページに、6月12日付Lexingtonの記事として、先ごろ米議会で否決されたTPPに関するファストトラック(TPA)法案を巡る解説記事が出ています。The Economistがアメリカ議会をどう見ているかがよく分かる記事です。

結論から言うと、今後の調整によって同法案が復活する可能性もあるということで、まだ最終的な結果が決まったわけではないようですが、投票結果は日本のメディアでも報じられている通り、民主党も共和党も人によって賛成・反対がバラバラだったわけです。それだけ議会そして議員の意見も反映される仕組みになっている、ということですね。日本だと党議拘束とかいう縛りがあって、議員それぞれの考え方など二の次になったりするわけですが、そのあたりが随分違うようです。

で、バラツキの内容ですが、「労働者の利益を優先させる民主党左派と、とにかくオバマは嫌いという共和党保守派」のいずれもが反対に回り、結果としてはむしろ共和党の議員が同法案を支持した、というものになりました。反対した民主党の重鎮からは、他法案との調整の中で交渉妥結への道を探ろうとする発言もあるようです。

The Economistの読み解きによると、かつて自由貿易を支持したはずの民主党支持者の中から、白人労働者や若者、非白人など議会選挙にはあまり関心を示さない層が離脱したこともあって、現在の民主党は中道勢力が弱体化しており、それが「跳ね橋を下げる(=自由貿易を推進する)」力を弱くしている、ということだそうです。

興味深いのは、ヒラリー・クリントン女史がこの法案について自らのスタンスを明らかにしていないと言う部分ですかね。そうすると何となく見える先行きとしては、ふらつきながらもTPP交渉が妥結したとして、彼女が大統領になると「アメリカの労働者のための、それ以上の要求」が出てくる可能性がある、ということでしょうか。