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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

年金制度の闇(と、大学よくやった!という研究の話)

The Economist 6月27日号のButtonwoodには、アメリカの公的年金制度が抱える構造的な欠損の可能性について、大変わかりやすい記事が出ています。

曰く、ボストンカレッジの研究所が発表したレポートによると、公的年金が現在の資産でカバーできる負担責任はおおよそ74%で、アメリカ金融市場の好調ぶりもあって増加傾向にある、のだそうですが、この前提になっている想定運用利率は7.6%と、民間の年金プログラムが使用することになっている想定利率の約4%で引きなおしてみると、カバー率はなんと45%にまで低下するのだとか。

そもそもこの前提となっている7.6%という想定運用利率は、市場金利が平均より高い場合にようやく実現できる株式の平均配当率とほぼ同水準ということで、だいぶ楽観的な想定で書かれていることがわかります。

それだというのに、150余りの年金プログラムの中で、金利見直しを進めたのはわずかに7団体、さらに低い想定金利でなんとかカバー率を上げようとしている民間の年金にしても、全体で4千~6千億ドルもの資金不足をきたしているのだそうです(金額の算定はStandard and Poor'sによる)。民間の場合は欠損がバランスシートに現れるのですが、公的年金の欠損はなかなか分かりにくいということです。

いずこの国も、不都合な現実に目を合わせるのはカンタンではないと言うことだと思いますが、それにしても気の利いた報告書です。日本の大学でこんな研究をしてるとこってありましたっけ?