新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

子曰く、習成す

7月25日号のChinaには、Confucious says, Xi does (子曰く、習成す)と題した中国共産党儒教回帰に関する面白い紹介記事があります。それによると、習近平政権は既存秩序の維持や社会の安定を是とした儒教の考え方を特に重要視していて、曲阜という町にある孔子廟も人気の観光スポットになっているのだとか。

習近平政権については日本国内でもさまざまな分析や評価が論じられていて、比較的よく目にするのは毛沢東主義への回帰が見られると言った分析ですが、この記事が伝えるところをそのまま理解すると、「非林非孔」を是として儒教を徹底的に嫌った毛沢東とは、教義の点で大きく異なる面が見えてきます。

結局共産主義だろうが儒教だろうが、体制維持に役立つものなら何でも、というくらいのダボハゼじゃあないか、という批判もあてはまる話なのかもしれません。どうかすると儒教回帰の流れは最終的に中国を非共産化するくらいのパワーを持ちうる可能性だってゼロではない(なんたって2500年以上の歴史を誇るので)だろうとさえ思えます。

たとえ共産主義を捨てて儒教に回帰することがあったとしても「民主化」だけはお断り、宗旨の架け替えすら視野に入れつつ体制の安定化を模索する習近平政権のホンネは何かと想像すると、そんなこだわりが透けて見えるような気がするのですが、当らずと言えども遠からず?